10年

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 5月の終わる頃、東京を離れました。仕事の異動で住み始め、気づけば10年。一度引っ越しはしたものの、住んでいたのはずっと同じ街。
 
 東京で家を決める時にいくつか巡った中で、駅を降りたときになんだかほっとして、帰ってきた、と感じたその街は、遊びに来た友達が「ここは東京?!」と言ったほど。
 駅から家までの間に畑も多く、軒先で作った野菜を売っている家がいくつもあり、お店の人達と世間話をしたり、同じアパートの人達とは帰省したときのお土産を渡し合ったり。

 そして、近くに住む大家のおばあさんが意味は分からないけれど素敵だと思って名付くれたアパートの名前には「ローズ」が入っていたけれど、初めは何も無かった入り口。でもいつの頃からかその名の通り薔薇が植えられていて、私が出るときにはこんなにたくさん咲くようになっていました。

 これまではどこに住む時も自分の意志で決めてきた引っ越し。それが今回は家こそ決めたものの、ある日突然告げられた初めての街への移動。
 「引っ越すこと」を決めたのは自分の意思。だけど、まるでカードをひいたかのように決められた時期や場所へ行く、なんて初めてのことで、私にとってはとても不思議で新鮮なこと。住み慣れた街や家を離れることや、何もかも初めての場所への不安は少しよぎったものの、それ以上に決められた流れにのる、という新しい体験ができるという思いがけない楽しみの方が勝ったような気がします。

 というわけで今、新しい町で生活しています。やっと引っ越し葉書を作り、只今せっせと送っているところです。


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by emioohara | 2009-07-16 17:20 | un jour